2020年3月17日火曜日

同じシステム内でデータが整合しない!~整合性のお話(1)

今回は、タイトルにもあるように、同じシステムから出てくるデータ同士が整合せず、その検証をしたときの話をします。守秘義務もありますので、話の本質的な部分は変えませんが、事業に関することは多少改変したり、脚色を加えている点もございますので、ご了承頂ければと思います。

  • 事業についての概要
こちらのクライアントの商売は、屋外でのレジャーです。屋外のため天候に左右されやすく、晴れの日は賑わい、雨の日は閑古鳥が鳴きます。また、熱中症が心配されるような暑い時期の日中は客足が落ちますし、冬は暖冬のほうがお客様が多い印象です。客層としては、平日は高齢のお客様が多く、休日は若いお客様もそれなりにいらっしゃるようです。
入場口で入場料を払って、あとはアトラクションごとに精算機があって、それぞれのアトラクション料金を払います。こちらの独自規格のICカードがあり、初めて利用する際にはICカードにデポジットを入れ、チャージをします。suicaやPASMOなどの交通系ICカードと同じようなシステムですが、独自規格のため、こちらのチャージ残高を他で使うこともできませんし、逆に、他のICカードでこちらの精算をすることもできません。ただ、リピート率が大変高く、基本的には残高を使い切れないどころか、何度も何度もチャージをするお客様が多いです。

  • 現場スタッフの状況
客層に合わせてなのか、高齢のスタッフがほとんどです。平均年齢は60歳くらいでしょうか。細やかな心配りのできるスタッフ陣のようで、お客様からは好評のようでした。ただ、年齢層のせいかITリテラシーが低く、PCの扱いも得意なスタッフはいらっしゃいませんでした。ICカードのシステムを導入する前は全て紙と現金でオペレーションしていたため、そもそもITリテラシーを必要としていなかったのですが、ICカードのシステム導入によってPC周りの操作が求められる機会が増えました。操作が簡単であれば問題なくできるため、営業終了後の集計などはシステムがボタン一つで自動的にやってくれるようになり、かえって残業は減っていたようです。とは言っても、システムからローデータをCSVでエクスポートするような作業は、電話サポートを頼らないと難しいようで、毎日出力するのは断念し、月が替わってから、1ヶ月分のデータを一括でエクスポートしてもらうことにしました。

  • 会計処理の概要
デポジットは預り金としてB/S計上、チャージも前受金としてB/S計上です。チャージ残高が入場料やアトラクション料金として徴収できたときに、売上としてP/Lに振り替わります。毎日、営業終了後に紙の帳票が出力されるので、それをネット経由で送ってもらい、帳簿に伝票入力する流れになっていました。スキャナが少し離れた事務所にしかなかったので、週に一度、事務所に行った際にスキャンしてもらい、データを送ってもらっていました。

  • あれ?おかしいぞ?
月次決算のチェックで、B/Sの残高を確認していたときでした。前受金の残高が、月末日の紙の帳票と整合していなかったのです。ICシステムから毎日の営業終了後に出力された紙帳票に基づいて仕訳が切られていますが、一日ずつ見ていくと時間がかかるので、まずは二分検索(バイナリ検索)の手法で、ズレが発生した日を特定しました。すると、おかしなことに気が付いたのです。
「ズレが生じた日の伝票は正しく入っている。ズレの前日の伝票も正しく入っている。それなのに、ズレが生じている…。…あっ!ズレが生じた日の帳票の「前日残高」の数字が、前の日の帳票の「当日残高」の数字と変わっているじゃないか!これはどういうことだ?」

…長くなってきたので、次回に続きます。

2020年3月11日水曜日

ごあいさつ

はじめまして、合同会社ケイティと申します。
弊社は、このブログの表題のとおり、「Excelと会計のあいだ」の業務を中心に、Excel作業が必要な請け負う会社です。たとえば、こんな業務をやっています。

  • 会計処理をするための集計作業
  • システムデータと会計データとのギャップを検証する作業
  • 前提条件を変えたときのシミュレーション作業

このブログでは、下記のことを発信していきたいと思います。

  • 守秘義務に抵触しない範囲で、業務を通じて経験したことや、得られた知見
  • Excelの操作に関するTips
  • Excelの周辺分野まで含めた、ご案内やご紹介
ひとことで終わるような話はtwitterでつぶやきますので、こちらでは長めの発信をしていくつもりです。読者のみなさまには、末永くおつきあい頂けたら幸いです。

同じシステム内でデータが整合しない!~整合性のお話(1)

今回は、タイトルにもあるように、同じシステムから出てくるデータ同士が整合せず、その検証をしたときの話をします。守秘義務もありますので、話の本質的な部分は変えませんが、事業に関することは多少改変したり、脚色を加えている点もございますので、ご了承頂ければと思います。 事業につい...